2017年9月24日ぐらいに発売の『藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない』(ナナロク社)。企画開始から本が出来上がっていくまでの日々を藤岡自らが記す日記。編集者との会話、本づくりにまつわる興奮と悶々、晩ごはんの話、観た映画のこと 


2016年9月23日(金)

晴れ。

ナナロク社の村井さんにメールを送る。

「2014年から描き続けてきた1ページ漫画の本を一緒に作って頂けませんか?」

 

実は村井さんにこういうお願いをしたためたのはこれで二度目。2015年の11月にも、今回と同じ依頼を便せんにまとめ、1ページ漫画数十本を添えて送らせてもらった。その時は、「面白いです、でも自分の気持ちとしてはナナロク社で出版するまでには至らない」ということだった。

 

その後、数社から単行本化の依頼を貰っていたけれども、この1ページ漫画の本はナナロク社と作るのが一番面白くなりそうだという予感がずっと頭にあり、断り続けてきた。

そして今日、だめもとで再び依頼を送信したわけである。

お返事を待つ。

 


 

ナナロク社は現在、代表の村井さんを含めて三人で動いている出版社。

小さな出版社だから心のこもった良い本を作ってもらえそう、という安易な考えでナナロク社を選んだわけではない。良い本ができることと出版社の大きさは関係ないと思うが、ただ自分の場合はブックデザインや売り方に関して、たぶん普通の作家よりも色々とこだわるたちなので、ほとんどのことをお任せするのではなく細かいことも一緒に考えて作っていくことができそうな出版社がよかった。

 

 

でもやはり一番の理由は、ナナロク社が自分の好きな本をたくさん出している出版社だったから。

川島小鳥さんの『未来ちゃん』『明星』、ウィスット・ポンニミット(タムくん)さんの『ヒーシーイット』シリーズ、鹿子裕文さんの『へろへろ』・・・。

 

自分と同じく、Twitterに1ページ漫画をアップし続けて名前を広めてきた史群アル仙さんのデビュー単行本『史群アル仙作品集 今日の漫画』があったことも大きい。多くのWEB発単行本からは感じられないこだわりや狙いがあり、「べつにフォロワーやリツイート数が多くなかったとしてもこの人たちはこの本を作っただろうな」と思わせる、丁寧に編まれた本。

 

 

 

 

2016年10月7日(金)

晴れ。

梅田の本屋をぶらついている時に、ナナロク社・村井さんからメールの返事!

藤岡さんの考えなどをもっと聞いてみたい、一度お会いしませんか、と。16日に村井さんが書店イベントのため大阪に来るので、そこで会うことに。

浮ついた足取りで店内を巡る。買った本はレイモンド・カーヴァーの『頼むから静かにしてくれ〈1〉』。

 

夜、バナナマンのDVD『bananaman live Love is Gold』を観る。日村さんの表現力にぶっ飛ばされる。「the Supernatural」というコントで日村さんが演じる「ヒムドン」がすごかった。

 

 

 

 

 

2016年10月16日(日)

晴れときどき曇り。

夕方、心斎橋のスタンダードブックストアのカフェにて、ナナロク社の村井さんと初対面。本屋併設のカフェ、せっかくそばにたくさん本があるのでそれを見ながら話しませんかということで、コーヒーを飲んだあとは本棚を巡りながら色々な話をさせてもらった。

 

もしナナロク社で出版できるなら、どうすればいい本になるだろうか。それをじっくり考えてから決めたい、というのが、今日、村井さんが一番伝えたかったことのようだった。

 

この日の最後は、新作1ページ漫画をもう5本描いてみてくれますか、ということになった。その5本を見てからまた色々と話したい、と。

村井さんと別れた後、すっかり暗くなった御堂筋を梅田駅まで歩きながら、さっき話したことを反芻しながらアイデアや考えを巡らせた。

 

 

 

 

 

2016年10月17日(月)

曇り。 

村井さんが昨日の会話の中で、『夏がとまらない』という1ページ漫画が特に好きだと仰っていて、それと絡めて藤岡の作家性についての意見を少し話してくれた。あの話、改めてもっと詳しく聞かせてもらってもいいでしょうか?

というメールをお送りする。

 

 

 

 

 

 

2016年10月19日(水)

曇り。

村井さんから『夏がとまらない』についてのメール。

以下、その全文。(掲載許可もらいました)

なにか新しいヒントを掴んだ気がした。

 

------------------

 藤岡さん

 

こんばんは。

ナナロク社の村井です。

 

どたばたとしているうちに、

メール、遅くなりました。

 

さて、先日お話をした、

「夏がとまらない」についてですが、

つぎのように考えています。

 

見たことがないのに、見たことがあるように感じる、

はじめてみるのに、思い出すようにとらえられるもの、

そして、おかしみが感じられるもの。

これが、私が『「夏がとまらない」といったもの』について、

言えることです。

 

藤岡さんの作品は全般に、いわゆる「あるある」ではなく、

むしろ、そんなひとたちはいない「ないない」なのですが、

それを、「あるある」のように描いていることにも、

私は、面白いと思っているところです。

 

ただ、より、藤岡さんの独自性を強めることとして、

季節の風情や、懐かしさや、あるいは優しさといったようなものが、

感じられる作品を読みたいと思います。

 

ここからは、書いていて難しくなるのですが、

なので読んで意味がとらえにくくても、

それは藤岡さんのせいではないので、気にせず読んでください。

 

とりあえず、書きます。

 

私は、笑いに逃げない笑いで、笑えるものが、読みたいです。

すでに、多くの芸人や喜劇作者によって、笑いの類型はたくさん出ております。

それにより、読者、受け手も、かなり、

訓練されてしまっています。

良い面もあるのですが、あるていどの形で、笑いとして受容してしまうことが、

あるかと思います。

 

なんとなくこうすると不条理の笑いになるな、とか、

ここは多少乱暴に終えても大丈夫だなとか、

藤岡さんの作品がそういった作品ということではないのですが、

笑いを作るうえで、笑いに逃げ込める要素は、

いまはとても多いように思うのです。

 

そういったなかで、

藤岡さんの作品を読むと、

心のなかから、なにかが反応してくる、

なにかを思い出す、といった、

笑いということをつきぬけた何か(それは笑いなのですが)を、

見てみたいと思っています。

 

そういった中、私として、

「夏がとまらない」は、よい作品でした。

 

 

まあ、つらつら書きました。

意を尽くせませんが、このまま送ります。

 

創作のご武運をお祈りしております!!!

 

村井光男

 

 

 

 

 

2016年11月25日(金)

晴れ。

今日やっと新作5本がたまったので、村井さんにお送りする。以下の5本である。 

また近く大阪へ行くので話しましょう、と返信あり。

 

 

 

 

2017年1月24日(火)

曇り。

例の新作5本を送ってから、年も明け、2か月が経つ。今どういうふうなお考えでしょうか、と村井さんにメール。もっと早く連絡を取ってもよかったのだが、ここのところギャグ漫画合同誌(風見2さんに誘ってもらった)に載せる短編『スカーレット』を描くのにいっぱいいっぱいで、それに1ページ漫画はスランプ続き。年が明けてからも全然描けていなかったので何となくきまりが悪くて先延ばしにしていたのである。いたのである、やあらへんがな。

 

村井さんより返信。ずっと考えているのだがこれといった答えがまだ出ていない、とのこと。また近々連絡します、キラキラしたもの面白いものを作りたいと思っています、と。

面白い本とは何なのだろうか、と改めて自分でも考える。

 

 

最近、「どうしてWEBで活動している漫画家やライターは、すぐ本を出したがるのか。ステイタスを上げたいのか、ハクをつけたいためなのか」というつぶやきを目にした。自分に向けられたつぶやきじゃなかったけれども、考え込んでしまった。

 

自分はなぜTwitterやInstagramで読まれるだけでは満足せず、「本」が作りたいのだろうか?それも電子書籍ではなく紙の本を。

 

自分は今まで「紙の本」を買って本を読んできた。電子書籍はどうも肌に合わないのでまったく利用していない。もちろんWEBマンガやブログなどは日常的に読んでいるし、有料メルマガを購読したり、有料記事を購入することもある。自分でも「ギャグ漫画の話」という有料の記事を公開したりしている。

これまでに読んできたいくつもの素晴らしい本を、もし電子書籍で読んでいたとしても、当然、感動したと思う。紙やパソコン、タブレット、何で読もうと良いものは良い。(そうでなければ自分もWEBで作品を発表したりしない)

 

先ほどの疑問のつぶやきに自分が答えるとしたら、それは単純に紙の本が好きだからだと思う。紙の本はデータではなく、実際にものとして存在する。その実在感が好きだ。「これおもしろかったで」とデータやリンクを送られるより、紙の本を手渡されるほうが好きだ。

本という形にまとめることで伝わるものが増える気がするから、本を作りたいと思う。

 

 

とにかく、これから本を作って、いざ手に取って読んでもらったとき、「なんかWEBで読んでた時のほうが面白かったな」とは思わせたくない。WEBで発表されたものをまとめた本を読んだ時、そういうことって結構あるから・・・。

 

例えば、本という形になったことでWEB掲載時には気にならなかった、どころかむしろ魅力ですらあった絵や文章の「雑さ」が残念に思えたり。無味乾燥なホームページやブログにぶっきらぼうにアップされていたことの猥雑な魅力やカッコイイ感じ・・・そういう背景がなくなって綺麗な本におさまった途端、なんだかつまらないものに思えてしまったり。

本にするなら、その本ならではの面白さを新たに作りたい。

 

自分は、本を出したあともWEB上から作品は一切消さない。

WEB上で全部読めるけど欲しいと思わせるような本を作る。

 

適当なメモ。

Twitterで発表する漫画は打ち上げ花火。

本は手紙。

 

 

 

 

 2017年2月7日(火)

晴れ。

村井さんよりメール。

小中学生の頃のエピソードをもとに短編を書くことはできないでしょうか、と。1ページ漫画に加えて、なにか未来を見せる作品、そういうものも入れることができれば、ただ消費されるだけではない、かけがえのない本になると思う、とのこと。22日に村井さんが大阪に来るのでまたお会いすることに。

 

2月2日にアップした1ページ漫画『オレオレ電話』がTwitterで6万リツイート。たぶん今までで一番読まれた作品になった。嬉しいけど、笑いの部分というよりは一種の「共感」のところでウケているようである。 

夜、DVDで『トーク・トゥ・ハー』(2002年スペイン/監督:ペドロ・アルモドバル)を観た。面白かった。

 

 

 

 

2017年2月22日(水)

晴れ。

昼、梅田で村井さんと待ち合わせ。淀屋橋方面へ向かって歩きながら「さあ、どういう本にしましょうか」

 

 

藤岡「本に載せるの、描きおろしの漫画でもいいんですけど、文章とかどうですかね、短いエッセイみたいな」

村井さん「文章いいですねえ」

 

 

藤岡「さっき来る前に本屋でこれ買ったんですよ(灰谷健次郎・編、長新太・絵『たいようのおなら』)」

村井さん「最高です」

 

 

藤岡「中津のシカクっていう本屋さん知ってます?」

村井さん「シカク?」

藤岡「そのシカクっていう店、結構わかりにくいとこにあって、一回頑張って行ってみたんですけど、あいてなかったんですよ。急な定休日かなんかで」

村井さん「・・・・・・(笑)」

藤岡「(しまった、すごいオチのない話をしてしまった)」

村井さん「・・・・・・」

藤岡「・・・あいてないんかーい、と思って」

村井さん「"あいてないんかーい"(笑)」

藤岡「(笑)」

村井さん「いけどもいけども"あいてないんかーい"で一本描けそうです」

藤岡「"あいてないんかーい"でですか?(笑)」

 

 

藤岡「巻末に解説とかあっても面白いですよね」

村井さん「文庫本だと解説ってわりと付いてるんですけど、漫画の単行本ってほとんどなくて。もっとあってもいいんですけどねえ」

藤岡「ナナロク社の『ヒーシーイット』シリーズとかはありますよね」

村井さん「そうそう」

藤岡「あれ見て、解説付いてるのいいなあと思って・・・まあでも自分のはギャグ漫画なんで、ギャグ漫画に解説っていうのもね・・・」

 

 

淀屋橋~本町の川沿いや裏通りを2時間ぐらい歩き回りながら話し続けて、梅田に戻ってくる。とりあえず漫画か文章か、なんか書いてみます、と言って別れる。

 

エッセイと官能小説を組み合わせた濡れなすびというのを前書いたんですけど・・・という話をしてたので、帰宅後にメールでお送りする。

 

 

 

 

2017年2月23日(木)

曇り。

村井さんより返信。「濡れなすび」とても良い、特に新聞配達の情景を重ねる部分が秀逸なので、ここの部分だけで新しく一本にまとめるのはいかがでしょうか、と。

 

うーん、官能小説の部分を抜くと笑いの部分がごっそり消えてしまうので、その案は保留にさせてください、とりあえず新しいものを書いてみます、と返信。

 

 

 

 

2017年2月25日(土)

晴れ。

街を歩きながら新作1ページ漫画のネタ出しと単行本のアイデア出し。youtubeで2008年ごろの「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」聴きつつ。

 

前に深夜メルマガを発行してた時に書いていたような、ラジオで喋ってるみたいな文章を数十ページごとに載せるのはどうだろうか。真っ黒な見開きページの上に白い文字で。

 

本屋でピース又吉さんの自由律俳句集『まさかジープで来るとは』をめくりながら、短い文章がたくさん並ぶ中、たまに放り込まれる写真がいいアクセントになってるなと思った。逆に1ページ漫画の本や写真集の場合、文章がいいアクセントになるのでわぁああ!と声に出した。嘘。声には出していない。

 

夜、DVDで『髪結いの亭主』(1990年フランス/監督:パトリス・ルコント)を観た。変な映画。めっちゃよかった。

 

 

 

 

2017年2月28日(火)

晴れ。

今回の本、正方形サイズがいいのでは、と思い立つ。自分の2コマ~3コマの作品の形に一番合いそうだし、真っ黒な見開きページを作るとして、それをひらいた時、長方形よりも横の広がりが大きく、インパクトもありそう。

 

 

 

 

2017年3月1日(水)

曇り。

文字のラジオではなく、「真夜中の話」とでも題した2ページのエッセイを数編、数十ページごとに挟み込むのはどうか。早速、二編書いてみた。

 

 

 

 

2017年3月2日(木)

晴れ。

昨日書いた「真夜中の話」二編を少し直して、ナナロク社・村井さんに送信。

正方形のアイデア、簡単に試作もしてみたのでその写真とともに送る。

 

夜、かもめんたるのDVD『下品なクチバシ』を観る。「I 脳 YOU」というコントが最高だった。「脳が太るぞ」「オレこの喫茶店出るときいつも走ってる」。

 

 

 

 

2017年3月7日(火)

晴れ。

村井さんより返信。正方形というデザインもいいかもしれないですね、正方形よりもう少しタテが長くてもいいかもしれぬ、まあでもデザインのことはデザイナーさんが決まってから一緒に考えていきましょう、と。「真夜中の話」読みました、改めて文章を活かすという形でいこうと思います、とのこと。

 

夜、DVDで『インヒアレント・ヴァイス』(2014年アメリカ/監督:ポール・トーマス・アンダーソン)を観た。30分で脱落。この監督の映画にどっぷりはまれる人うらやましい。

 

 

 

 

2017年3月15日(水)

晴れ。

新作1ページ漫画『ギャル 怒りの高校受験』が2万リツイート超え。Twitterで作品発表を始めてから1万リツイート超えは三度目。一度目は『ぼくのおじいちゃん』これは皮肉の部分がウケていたのだと思うし、二度目は『オレオレ電話』これは共感の部分で広まったのだと思うが、今回のは皮肉も共感もなく、ただばかばかしいだけなので、このヒットは嬉しい。リツイートやお気に入りの数字なんて普段どうでもいいと思ってるけど、やっぱり自分が面白いと思ったものが広まるというのはいいものですね

 

村井さんよりメール。あさって大阪に行くので会いましょうと!

 

 

 

 

 

2017年3月17日(金)

晴れ。

夜7時すぎ、梅田のMARUZEN&ジュンク堂書店で村井さんと待ち合わせ。それまで村井さんと打ち合わせをしていた歌人の岡野大嗣さんと、一言あいさつさせてもらう。隣で村井さんが「人見知り同士(笑)」と、なんか嬉しそうにしている。

 

こないだの1ページ漫画『ギャル 怒りの高校受験』面白かった、特に手の描写がよかったですと言ってくれた岡野さんと別れた後、すぐそばのNU茶屋町という施設で「川島小鳥×Kanoco展」「ファーストアルバム~銀杏BOYZと川島小鳥~展」をやっていたので、村井さんと二人でのぞく。

通路の一角の、無料で入れる写真展。そのほかビル全体を使って、巨大な写真が天井から吊るされたり床に貼られたりもしている。

(kanocoさんのTwitterより)

あー自分の1ページ漫画でこういうのやりてえなあ、と前から考えていることだが、ますますその思いが募る。1ページ漫画は写真と似て、ほとんどひと目でその面白さが伝わるから。

 

本というのは多分、こういうイベントもできやすくなる。主催者に依頼が通りやすくなるという意味だけでなく、展示の中心に「本」があると、おもろいことやろうと思いやすくなるというか。

 

藤岡「(床に貼られた巨大な)この写真、いくらぐらいするんですかね」

村井さん「××万円ぐらいかなあ」

 

NU茶屋町を出て、新大阪駅まで歩きながら話す。村井さん「かばん重くて肩ちぎれそう」

 

(予約注文について)

藤岡「特典付きの予約注文とかやりたいなと思って」

村井さん「いいですねえ。藤岡さんが汗をかく特典がいいですね。一冊一冊、手書きで何かを書くとか・・・」

 

 

(カラーページについて)

『夏がとまらない』とかの部分カラーの漫画を、途中に挟み込みたいねと村井さん。

藤岡「冒頭より途中に挟むほうがいいですかね」

村井さん「うん、途中のほうがかっこいいですね」

 

 

(1ページ漫画のタイトル部分について)

藤岡「このままでいくか、明朝体にするか、手書きにするか・・・」

村井さん「僕はこのままでいいと思います。この、何も考えずに適当に付けたような書体が合ってると思います」

(シュリンク<書店に並んだ時、本に付けられるビニール>について)

藤岡「できれば付けずに並べてほしいんですけど、頼めばできるもんなんですか」

村井さん「うーん、それは書店によってできたりできなかったり・・・」

藤岡「小説はシュリンク付けられないですよね。僕の本も小説扱いにして出すとか」

村井さん「(笑)」

 

試し読み冊子、試し読み用の本、ポスターなど、置いてもらえるところには持ってゆきたい。ほとんどの店でシュリンクが付けられている今、WEBで試し読みすらできない漫画がたくさんあるけど、なんなんだと思う。

 

 

梅田から歩くこと1時間、新大阪に到着。

村井さん「本当にこのあたりって何もないですねえ」

藤岡「そうなんすよ」

 

「真夜中の話」の文章を五編ほど書くことになったので、新しいものをまた来週までに送ることを約束して、村井さんは新幹線で東京へ帰って行った。

 

 

 

 

2017年3月25日(土)

晴れ。

内沼晋太郎さんの『本の逆襲』を再読。元気もらう。これ、「本」や「本屋さん」にまつわることでなんか考えあぐねてる人にはとてもおすすめの本。

 

シネマート心斎橋へ、ナ・ホンジンの新作『哭声/コクソン』を観に行った。前の席の、頻繁に左右に動きながら柿の種を食べ続けるおっさんの頭でスクリーンの1/4がずっと隠れていて、40分ぐらいで耐えきれずに席を立った。「すみませんもう少し頭さげてもらえますか」と言って、舌打ちされても嫌だし、あっごめんなさいと言ってくれるような人だったとしても、この人ずっとそのことを考え続けて映画に集中できないやろうなとか思ってしまって、とても言えない。

 

他の席も埋まっていたので、映画はそれであきらめて、近くのスタンダードブックストアへ。これまで1階と地下に売り場があったのだが、地下のみの営業になっていた。夏葉社の『冬の本』と柴崎友香さんの新刊『かわうそ堀怪談見習い』のサイン本を買う。サイン本って初めて買ったかもしれない。思ってたより嬉しいもんやな。自分も本できたらサインいっぱい書こう。

 

その帰り道、チラシ配りの人に対して、みんな断りの会釈どころか目線すら向けずに歩き去っていて、怖かった。自分は微笑みながら受け取ってあげようと思って手を差し出すと、女性向け化粧品のチラシだったみたいで無視された。怖かった。

 

 

 

 

2017年3月26日(日)

曇り。

ピース又吉さんの『東京百景』を読みながら、自分が今回作る本、正方形サイズにしたい熱が高まっていたけれども、形はこういう素朴なのがいいかも、と思った。

新書ぐらいの大きさで、手に馴染みやすいサイズ。なんかすごく「本」って感じがする。

 

 

 

 

2017年4月2日(日)

晴れ。

単行本に五編ほど載せる予定のエッセイ「真夜中の話」三編目を書く。

 

 

 

 

2017年4月3日(月)

晴れ。

村井さんよりメール。エッセイ、笑いを作ろうとしすぎているように思う、もっと淡々となんでもないようなことを書いてみて下さい、と。

確かにちょっと肩ひじ張った文章だった。「真夜中の話」というくくりもやめてみよう。テーマが真夜中だとどうしても暗い思い出ばかりになってしまう。たった数編だとしても、全体までが印象として暗い本になってしまいそうである。明るい本にしたいと思う。

 

餃子を作る。近頃、餃子ばかり作って食べている。鶏がらスープの素とごま油を混ぜてフライパンにひき、水ではなくお湯を差して焼き上げると美味しい。

 

 

 

 

2017年4月4日(火)

晴れ。

エッセイではなく、詩はどうだろうか。

「少年時代」というタイトルで書き始める。

 

矢萩多聞さんの『偶然の装丁家』読んだ。めちゃくちゃおもしろかった。

 

 

 

 

2017年4月5日(水)

曇り。

詩「少年時代」書き終える。

一応OKをもらっていた「真夜中の話」二編はいったん保留にしてもらおう。

 

『オーバー・フェンス』(2016年日本/監督:山下敦弘)観た。とてもよかった。

 

 

 

 

2017年4月6日(木)

曇り。

村井さんよりメール。詩「少年時代」とても良いです、漫画の根っこにあるもののようにも思います、と。「真夜中の話」掲載保留の件も了解頂く。

 

ところで、「メモ紙」というすばらしいフリーテキストソフトを見つけたので、この日記も早速それで書いている。簡単に言うと「メモ帳」に自動バックアップ機能が付いたもの。

 

 

 

 

2017年4月7日(金)

曇り。

新しいエッセイ「手の履歴」を書きはじめる。

 

『サムサッカー』(2005年アメリカ/監督:マイク・ミルズ)を観た。ヴィンセント・ドノフリオとティルダ・スウィントンの夫婦がとても良かった。

ヴィンセント・ドノフリオは『メン・イン・ブラック』(1997)でエイリアンに体を乗っ取られた農夫のおじさんです。

 

 

 

 

2017年4月8日(土)

雨。

「手の履歴」、エッセイというかまたもや詩のようになったけれども、とにかく書き上がる。

 

なんか無性にマリサ・トメイが見たくなったので借りてきた『いとこのビニー』(1992年アメリカ/監督:ジョナサン・リン)を観る。

判事役のフレッド・グウィンという人が個性的な顔とでっかい手をしていて、画力(えぢから)がすごかった。マリサ・トメイはやっぱり可愛かった。夜はまた餃子を作って食べる。皮と餡(あん)のあいだに大葉を挟んでも美味しいよ

 

 

 

 

2017年4月9日(日)

雨。

『エクス・マキナ』(2015年イギリス/監督:アレックス・ガーランド)を観た。キョウコ(ソノヤ・ミズノ)のダンス・シーンが唐突さも含めて最高。

 

大好きな映画『Mr.ビーンの休日』(2007年イギリス/監督:スティーヴ・ベンデラック)。この映画で最高にきらめいているエマ・ドゥ・コーヌが出てくるシーンだけ観るつもりが、また全編観てしまった。

ビーンと旅を共にする子供を演じる役者に味わいがなく、そこだけがいつももったいないなと思うけれども、とても愉しい映画。『男はつらいよ』みたいに、Mr.ビーンでもっと何作も映画をつくってほしかった。

 

今日は映画しか観てないけど日記を書いてしまった。単行本制作にまつわるエピソードが特にない日は書かないようにしようと決めていたのに。

 

 

 

 

2017年4月10日(月)

曇り。

村井さんよりメール。詩「手の履歴」すばらしいです、と。

細かい部分をアドバイス頂き、少し直す。

詩も、沢山の人に読まれるのが楽しみである。

 

今夜も餃子を作る。そろそろスーパーの店員の間で「餃子」と呼ばれていると思う。

 

 

 

 

2017年4月12日(水)

曇り。

単行本に載せる三つ目の文章、「手紙」を書く。

 

銀杏BOYZ・峯田和伸さんの『恋と退屈』(河出文庫)を読んだ。素敵な文章、素敵な本だ。最後に載っているリリー・フランキーさんの文章もとても良かった。

 

 

 

 

2017年4月13日(木)

曇り。

「手紙」も、ナナロク社・村井さんからOK貰う。

「真夜中」をテーマに書いた文章、一編だけやはりどうしても載せたいものがあり、少し直して送る。これもOK貰う。

これで四つの文章ができた。

「五番目の文章=あとがき」はブックデザインなども全部決まったあとで、一番最後に書かせてもらうことになった。

 

 

 

 

2017年4月15日(土)

晴れ。

単行本に掲載する作品選び。

これまでWEBで発表してきた1ページ漫画・約450本の中から249本を選ぶ。

 

本の値段は高くとも1200円ぐらいに留めたいのだが、大丈夫だろうか?

 

『フランシス・ハ』(2012)の監督主演コンビの日本未公開作『グリーンバーグ』(2010年アメリカ/監督:ノア・バームバック)をAmazonビデオで観る。

いい映画だった。グレタ・ガーウィグが好き。映画に愛された顔というか、ずっと見ていたい顔をしている。

 

 

 

 

2017年4月16日(日)

晴れ。

村井さんよりメール。本の値段、1200円以内にしましょう、と。むしろ値段はどうとでもなるが、それよりも本の厚みをどうするかが重要です、厚すぎると読者を狭めてしまうかもしれない、とのこと。

確かに、でかすぎる本とか厚すぎる本って、インパクトはあるけど初見で手に取りにくいことがある。

 

今回は1ページ漫画集で1巻完結の本なので、普通のコミックよりは多少ぶ厚くても大丈夫というか、むしろそのほうが魅力的だと思う。『ヒーシーイット アクア』ぐらいの厚さがベストだろうか。

あとこの本は紙自体が軽いのか、厚さのわりにとても軽い。

 

 

 

 

2017年4月19日(水)

晴れ。

村井さんよりメール。

目次などを考えると、作品数は220本ほどが丁度いいかもしれない、と。

また目次には、1ページ漫画のタイトルは載せないことになった。章を作るなら、章だけを目次に載せることに。

章かー、どうしよう。作品タイトルにちなんで、「夏がとまらないの章」「人生の章」などはどうだろうか。

 

夜、作品を更に229本まで絞る。

 

 

 

 

2017年4月22日(土)

晴れ。

本のタイトル、「TAKUTARO 藤岡拓太郎作品集」を仮タイトルとしていたが、やはり少し面白くない。ここ数日考えている。

「とある蕎麦屋の夫婦」という1ページ漫画の中に「あとあの・・・愛してるから」という台詞がある。それをそのまま持ってきて、『あとあの、愛してるから 藤岡拓太郎作品集』というのはどうか。

 

夜、佐村河内守氏を撮ったドキュメンタリー映画『FAKE』(2016年日本/監督:森達也)を観た。めちゃくちゃ面白かったし、ずっとこの映画のことを考えてしまう・・・。

 

 

 

 

2017年4月23日(日)

晴れ。

『あとあの、愛してるから 藤岡拓太郎作品集』というタイトル、ひと晩経つと微妙に思えてきた。村井さんも、「ちょっとわかりにくいですね」と。

 

表紙には、1ページ漫画をひとつ載せることになり、これは『夏が来る』という作品でほぼ決定。

 

 

 

 

 

2017年4月24日(月)

2017年5月7日(日)

この二週間は、ひたすらタイトルを出しては没にしての繰り返し。

200個以上考えたが決まらない。「き、決まった!」と思っても、ひと晩寝かせてみると「なにこれ」。

 

 

5月5日、村井さんから「1ページ漫画のタイトルをそのまま使うなら『夏がとまらない』が一番いいと思います」という案をもらった。しかし本のタイトルとしては、すぱっとした感じ、ポップな感じが足らない気がする・・・。しばらく寝かせてみる。

 

 

 

 

2017年5月8日(月)

晴れ。

本のタイトル、『夏がとまらない』がじわじわと気に入ってきている。少し地味な詩集や歌集のタイトルみたいで、目を引きにくいのではないかと気がかりだったのだが、今はこの詩集っぽさが良く思える。

 

『夏がとまらない』から夏を抜いて『とまらない』、『とまらん』というのも悪くない。『あこがれ』もまだ捨てがたい。どうしよう。今日決めるつもりで、本屋へ行くことにした。本屋で考えたほうがイメージがしやすい。自転車を飛ばす。真っ青に晴れ渡っていて夏のようである。もし夏に刊行できるなら、『夏がとまらない』という題の本を夏の空気の中で買いに行くの、なんかめっちゃいいなあと思って、自転車の上ですでに気持ちはほとんど固まっていた。

 

タイトルは『藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない』に決まった。

 

 

 

 

2017年5月18日(木)

晴れ。

単行本に収録する作品は210本になった。

 

そして村井さんから、ブックデザインは名久井直子さんにお願いしたいと思っています、と連絡あり。ぜひお願いします!と。

 

 

 

 

2017年5月24日(水)

曇り。

単行本特設ページも自分でこさえたかったので、村井さんに許可をもらって、作り始める。

特典付きの予約注文か限定版販売もやることになったので、特典内容も考え始める。

 

「キングちゃん」の『冷やし漫才王』という企画が感動的に新しくて面白かった。

 

 

 

 

2017年5月25日(木)

曇り。

予約注文の特典、こんなのを思いついた。

Twitterやインスタのフォロワーに呼びかけて、「藤岡拓太郎漫画の解説」を思い思いに書いてもらって、ハガキまたはメールでナナロク社に送ってもらう。それをランダムに封入するというもの。(解説数よりも予約注文数のほうが多くなると思うので、面白い解説のみ複数枚印刷する)

しかし、ちょっと内輪だけの盛り上がりになりそうだったので、この案は没。

 

 

 

 

2017年5月26日(金)

晴れ。

予約注文の特典、「サイン+オリジナルイラスト」を描くのはどうだろう。

ネット注文時に、

□おじさん

□おばさん

という選択欄があって、おばさんにチェックを入れた人には、おばさんを描く。

 

大相撲夏場所13日目、安美錦勝ち越しおめでとう!石浦や宇良の取組にも、いつも元気をもらっている。

 

 

 

 

2017年5月31日(水)

晴れ。

名久井直子さんにブックデザインを正式にお受け頂きました、と村井さんより連絡。嬉しい・・・。いい本やな、と思って奥付を見たら名久井さんだったことが何度もある。

 

「白い本棚」http://booklog.jp/users/kinugoshi

(名久井さんが装丁を担当された本がまとめられているページ)

 

ブックデザイナーさんの名前は通常、本の一番最後の「奥付(おくづけ)」や、カバーをめくったところなどに記載されている。造本に感動した時は、その本のデザイナーさんの名前を確認してみては。

(カルチャーニュースサイトの文末みたいになってしまった)

 

町山智浩さんの映画ムダ話「編集について」の回を聴いていると、「映画のカットの長さは、漫画で言うとコマの大きさ」という話をされていて、そうそうと頷く。

 

 

 

 

2017年6月15日(木)

晴れ。

予約注文の特典、本のどっかのページに藤岡が直接らくがきをする「拓太郎のらくがき付き」というのはどうか。

 

本の書影も価格も発売日もまだ決まっていないけれども、そろそろ告知をしたい。むしろ決まってないことがたくさんあるうちに告知をしたほうが、ファンにとっては日々、新情報が上がってくる楽しみができる。

 

MONDO GROSSO「ラビリンス」のMV。

撮影、振付、満島ひかり、全部がすばらしい・・・。

 

 

 

 

2017年6月18日(日)

晴れ。

村井さんより、発売日までの大まかなスケジュールが届く。

当初は秋の刊行を予定していたが、タイトルが「夏がとまらない」になったことで8月中の発売を目指すことになった。

そして発売日は8月末日だったのを、無理を言って少し早めてもらった。大人もそうだが特に子供たちには夏休みの一番最後の日よりも、まだ休みが少しでも残っている中で手に取って読んでほしかったので。

 

 

 

 

2017年6月28日(水)

晴れ。

明日の夜7時、単行本の初告知をすることに!

制作日記と特設ページの細かい部分を直す。

 

 

 

 

2017年6月29日(木)

晴れ。

夜7時に単行本の初告知。

(ホームページ、Twitter、Instagram、LINEブログ、facebookページ、noteで)

 

特設ページと、この日記(5月18日分まで)も同時に公開。

各SNSやメールで、「待ってました!」とたくさんのメッセージをもらう。

 

こういう数字いちいち書き残すのあれやけど、この先、WEBで描いた漫画を本にする人にとって何かの参考になるかもしれないので、記録しておきます。

上の告知ツイート:295RT、832Fav(6/30 7:00現在。フォロワー数はこのとき約8万5000人)

 

正直、もっと数字は伸びるかなと思った。でも、こういう数字に惑わされるのはもうやめて、ただ良い本を作ることを第一に考えて、面白い広め方をどんどん考えていきたい。ところで、「一度もリツイートやメッセージを送ったことがなくても応援してくれてる人」はたくさんおるよ。知らんけど

 

 

 

 

2017年6月30日(金)

晴れ。

書店用ポスターやパネル、または本に封入するリーフレットなどに推薦文を色々な人から頂きたいなと思い、村井さんと相談する。身の程をわきまえろという声が飛んできそうな、すごい方々・・・。受けてもらえるかどうかは分からないけれども、とりあえず陣を固めてゆく。

 

 

 

 

2017年7月2日(日)

晴れ。

本に挟まっている読者カード。わざわざ郵送してもらわなくても、ハッシュタグを付けてSNSにアップしてもらえば、他の読者も見られるし、とてもいいのでは。

 

「#読書の夏がとまらない」という企画を思いつく。ノートに書きとめた瞬間、我ながらいい企画すぎて立ち上がってしまった。

 

 

 

 

2017年7月3日(月)

晴れ。

ふと思ったけど、映画やドラマで、筋肉ムキムキの人が自殺するシーンを見たことがない気がする。

 

深夜に描き上げてアップした1ページ漫画「ひとつ下の階の部屋に入ってしまったことに気づかずに、そのままソファーに座ったおっさん」がよくウケてうれしい。

 

 

 

 

2017年7月6日(木)

晴れ。

昼すぎに、今夜9時から始める「#読書の夏がとまらない」企画の告知。予想以上の反響で、またまた嬉しくなる。

 

 

そして9時。100人ぐらいの人が参加してくれた。自分は一冊め、梅佳代さんの『うめめ』を紹介。『うめめ』は本づくりを考えはじめた時から、ずっと意識している本。漫画と写真という違いはあれど、似たものを感じている。これといったキャラクターが存在せず、独立した笑いがたくさん詰まっていて、さらにデビュー本であるというところなど。

 

映画は完成披露試写会というものがあっていいなあ、と思った。本も、完成披露試"読"会というのができんやろうか。映画館でやるのも面白いし、本屋でもいいし、あっつい日射しのもとで、パラソル付きのテーブルを出した公園でやるのもいい。

 

 

 

 

2017年7月11日(火)

晴れ。

今日は便せんと風鈴を買いに行った。何そのおしゃれな買い物。

 

1ページ漫画を本に収録する際、タイトルの頭の「★」は無くてもいいと思うのですがどうでしょう?と村井さんから連絡。

確かに、本の時は「★」が無いほうがいいかもしれない!(まあWEB上でも別に、無いっちゃ無いでいいんやけど)

 

 

 

 

2017年7月12日(水)

曇り。

推薦文をお願いすることになった方々へのお手紙を書く。

 

 

 

 

2017年7月15日(土)

晴れ。

すっかりと夏である。

このごろはトマトそうめんに夢中。そうめんを積んだ器に直接、食べやすく切ったトマトと大葉とおろしショウガをぶち込み、まとめてツユにつけながら頂く。

 

きょう村井さんと相談して、「とにかく本屋さんで買ってもらう!」という方針で今回の本を売っていきましょう、ということになった。

もちろんネット書店からも購入できるけれども、それにはあえて特典は付けず、サイン本などはすべて書店に置いてもらう。

書店だけで読める限定漫画なども描いて、本屋さんで買いたくなるような仕掛けを増やしていく。

 

サイン本を販売する書店から遠くに住んでる人や、なかなか書店に行けない人もいると思うので、WEBでも特典本の受け付け、ちょっとだけやるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年7月26日(水)

晴れ。

ここ数日は「文字組み」についての打ち合わせ。

単行本化にあたり、文字をすべて打ち直してもらうので、気になるところをあれこれと相談させてもらった。

せりふの書体、改行の位置や、文字と文字の空き具合・・・

 

女優の多部未華子さんが作家さんのエッセイを朗読する企画を聴いて、朗読ってもっとみんなやってほしいなと思った。CDとかでも、ボーナストラックで歌詞の朗読バージョンとか入ってたら、より買いたくなる。

 

大相撲名古屋場所、千秋楽。白鵬39回目の優勝。今場所、宇良が本当にすごかった。日馬富士からの金星のあとの涙のインタビューには泣いてしまったし、翌日の高安戦で見せた、あのどうかしてる動き!(自分で土俵ぎりぎりまで下がって、土俵を蹴った勢いで突進する)

なんて面白い相撲を見せてくれるんだと思って、また泣いてしまいそうになった。

 

ところで、土俵から転げ落ちる力士を見るといつも、「その勢いのまま走って帰宅したらおもしろいな」と思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年7月30日(日)

晴れ。

いま、むしょうに絵本がつくりたい。

 

本に挟み込む「読者カード」を自分で作らせてもらう。オモテもウラも手書きでデザイン。

 

ところで書店に置かれるサイン本には、「著者サイン本」という文字だけのテープが貼られている。このあいだ書店でそれを見た時、絵も付いてるほうが面白いと思ったので、そのためのイラストを描いた。

 

梅ごはんがおいしい。きざんだ大葉とかつお節を合わせためんつゆをご飯にかけ、梅干しとともにかきこむのである。

 

 

 

 

2017年7月31日(月)

晴れのち曇り。

「あとがき」を書く。

 

このところ漫画を描いてる時に聴いてるのは、もっぱらNHKラジオの「夏休み子ども科学電話相談」。1984年から毎年やってるんやね、今年までこの番組のこと知らんかった。おそろしくシンプルな構成と、アナウンサーと先生方の優しい語り口と、生放送の子供が生み出すハラハラ感に引き込まれる。一つ一つの相談が毎回、おはようございますで始まって、ありがとうとさようならで終わってゆくのもとてもいい。「何々さん、さようなら」「さようなら」というやりとり、そこに夏さえ感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年8月2日(水)

~8月9日(水)

フキダシの中の改行、せりふの書体、各作品のタイトルの書体や大きさなど、細かいところを引き続き詰めていった。

 

せりふの書体は、村井さんとも色々相談し、できるだけ基本の書体で統一するようにした。心の声やナレーション、感情的になった時のせりふで一部、ゴシックなどの書体を使っている。WEBで公開しているオリジナル版は、本よりももうちょっと多くの書体を使っていて、ゴシックになっているところも多い。ギャグ漫画におけるせりふの書体について改めて考えたこの数日。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年8月10日(木)

晴れ。

今日も細かいところの確認や加筆修正など。

 

「バナナマンの爆笑ドラゴン 八月場所」。チョコレートプラネットの「監禁」のネタ、何度観てもおもしろい。涙が頬を伝わるぐらい泣き笑いしてる素敵なお客さんが映っていた。

 

 

 

 

2017年8月12日(土)

曇り。

風邪をひいてしまった。熱と頭痛で寝込む。こんな時に寄り添ってくれるのはいつだってラジオである。

極楽とんぼオレたちちょこっとやってまーす!~~天竺鼠川原のすっぽんぽんラジオ~~ケンドーコバヤシのTENGA茶屋~~オードリーのオールナイトニッポン~~ハマ・オカモトのオールナイトニッポンR・・・

 

 

 

 

2017年8月18日(金)

晴れ。

作品をどう並べるかは村井さんにお任せしていて、きょう、その並びを見せてもらった。いい、と思った。

 

「ドキュメント72時間」松山のデパートの屋上観覧車の回を観ていた。東京からやって来た二十歳の旅の女の子が、夜にライトアップされた観覧車の中で「なんか遠くで見ると綺麗なのに、近くだとあんまり分かんない」と、さらりと名言を吐いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年8月22日(火)

曇り。

「街裏ぴんく」という人の芸を初めて観た。新しくて面白くてぶっ飛んだ。映像で言うとフェイク・ドキュメンタリー(モキュメンタリーとも言う。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『クローバーフィールド』『山田孝之の東京都北区赤羽』など)。その漫談版。フェイクドキュメンタリー漫談とでも呼びたい。

 

 

「ガキの使い」のハガキトークとか、プラスマイナス岩橋さんがなんかの番組でやってた、どうかと思うぐらい話を盛るウソエピソードトークとかもちょっと連想したけど、それらとも、今までに見たどれとも違う感触で、とても興奮した。

 

ちなみに自分は、これのエッセイ版というのか、「フェイクドキュメンタリーエッセイ」とも呼べそうなものを書いたことがある。

→「2メートルのおっさんが死んだ話

 

 

「フェイクドキュメンタリーエッセイ」って、それは一人称小説のことなんじゃないかと一瞬思うんやけど、あくまでも作者自分が体験したことだと押し通してる限り、小説とは違う味わいがあると思う。

 

 

 

 

 

2017年8月23日(水)

曇り。

本のデザイン、オビをあえて付けない形になりそう。この案、最初は驚いたが、その狙いを聞かせてもらうと、面白いなあと思った。オビがあると、結局オビがいちばん前面にくるので、良くも悪くも、「本」と「オビ」で分かれてしまうのだと。今回の本は、目にした時の美しさや鮮烈さを重視して、キャッチコピーも直接カバーに入れ込む形でデザインして頂くことになりそう。

 

発売は8月下旬ということでアナウンスしていたのだが、作業が色々と間に合わず、9月に延びることに。各SNSでおわびと告知。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年8月26日(土)

曇り。

原稿のチェックをするたびに、直すべきところに気がつき、修正を繰り返している。今回、これまで自分でスキャンしていたデータでは本の印刷には使えなかったので、紙の原稿を全て送り、スキャンをやり直してもらった。自分でスキャンした後にデータ上で加筆修正していた箇所も多くあったので、再びデータ上で同じ加筆修正をやることになってしまった。自分のように紙原稿で漫画を描いていて、単行本化も予定している人は、修正はできる限り紙の上で済ませていたほうが後々ラクだと思う。

 

バスター・キートンが好きだ!

チャップリンとキートンは、小学生の時にNHKの衛星映画劇場で観て以来ずっと好きなのだが、先日、Eテレのドキュメンタリー「チャップリンVSキートン」を観て、改めてキートンに魅了されてしまった。

このブログで翻訳されているキートンのインタビューを読みまくり、自伝も買い、このところキートン映画ばかり観ている。走る!キートンはとにかく走る!自分にとって映画を観ていて一番惹きつけられる瞬間って、キートンがただ走っているところかもしれない。

『キートンの警官騒動』(1922年)

 

 

 

 

2017年8月29日(火)

曇り。

このところ描きあぐねていた書店限定漫画がやっと描けた。いくつかの本屋さんで展示してもらえそう。

 

新しく決まった本のデザインの諸々を村井さんから聞かせてもらう。本の天(上の部分)を、あえて切り揃えないでガタガタにする「アンカット」という作りにすることで文芸の香りを施す、など。

 

海の中のイラストを描く。このイラストは本のどこに入っているか、ぜひ探してみてください。

 

 

 

 

2017年8月31日(木)

晴れ。

7月から毎日やってきた「#読書の夏がとまらない」、今日で終了。一緒にやってくださった皆様に感謝。

7/6 梅佳代「うめめ」

7/7 大橋裕之「シティライツ」

7/8 柴崎友香「きょうのできごと」

7/9 楳図かずお「ねがい」

7/10 檀一雄「檀流クッキング」

7/11 川上未映子「そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります」

7/12 山口隆「叱り叱られ」

7/13 松江哲明「セルフ・ドキュメンタリー」

7/14 松島直子「すみれファンファーレ」

7/15 灰谷健次郎、長新太「たいようのおなら」

7/16 岸政彦「街の人生」

7/17 三島邦弘「計画と無計画のあいだ」

7/18 すぎむらしんいち「ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ」

7/19 西加奈子「この話、続けてもいいですか。」

7/20 長新太「ゴムあたまポンたろう」

7/21 増田こうすけ「増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和」

7/22 けらえいこ「あたしンち」

7/23 園子温「非道に生きる」

7/24 真造圭伍「森山中教習所」

7/25 ビートたけし「間抜けの構造」

7/26 糸井重里「ボールのようなことば。」

7/27 つげ義春「ねじ式/夜が掴む」

7/28 岸本佐知子「なんらかの事情」

7/29 森田まさのり「ROOKIES」

7/30 花輪和一「刑務所の中」

7/31 春日太一「あかんやつら 東映京都撮影所血風録」

8/1 杉浦茂「杉浦茂マンガ館 第2巻」

8/2 又吉直樹「劇場」

8/3 吉田戦車「伝染るんです。」

8/4 スケラッコ「盆の国」

8/5 こうの史代「夕凪の街 桜の国」

8/6 こだま「夫のちんぽが入らない」

8/7 赤塚不二夫「レッツラゴン」

8/8 楳図かずお「神の左手悪魔の右手」

8/9 POPEYE「君の街から、本屋が消えたら大変だ!」

8/10 山田太一「夕暮れの時間に」

8/11 くらもちふさこ「天然コケッコー」

8/13 榎屋克優「日々ロック」

8/13 坂元裕二「往復書簡 初恋と不倫」

8/14 峯田和伸「恋と退屈」

8/15 半藤一利「日本のいちばん長い日」

8/16 ロビン西「マインド・ゲーム」

8/17 伊舎堂仁「トントングラム」

8/18 木下龍也「つむじ風、ここにあります」

8/19 岡本太郎「今日の芸術」

8/20 島田潤一郎「あしたから出版社」

8/21 朝倉世界一「デボネア・ドライブ」

8/22 映画にまつわる本

8/23 天久聖一・編「書き出し小説」

8/24 ジブリの教科書11「ホーホケキョ となりの山田くん」

8/25 ちばてつや「あしたのジョー」

8/26 ナナロク社の本

8/27 近藤聡乃「ニューヨークで考え中」

8/28 チャールズ・チャップリン『チャップリン自伝』

8/29 「藤子・F・不二雄のまんが技法」

8/30 岸政彦「断片的なものの社会学」

8/31 西加奈子「サラバ!」

 

 

 

 

2017年9月1日(金)

晴れ。

昨日今日と、カバーに載せるキャッチコピーを決めていった。なかなか決まらず、しんどかった・・・。

コピーは2つ。ひとつは、ぶっきらぼうに情報だけを書いた

拓太郎の最初の本/1ページ漫画が217本」。

もうひとつは、あえて少し馬鹿馬鹿しい感じで、

はじまりはじまり!デビューデビュー!」。

これはフキダシの周りを囲むように置かれているのも、アホっぽくてかわいくて好き。

 

そして!カバー全体のデザインや、カバーを取ったところの本体の表紙のデザインが上がってきて、見せて頂く。興奮。この本はあえてオビを付けないつくりになっていて、オレンジ色のキャッチコピーも全部、本に直接、印刷されている。

 

 

 

 

2017年9月2日(土)

晴れ。

書店用ポップを自分でも作ってみる。1つ目。これはまだちょっと堅いかも。

 

2つ目は風鈴型ポップ。これは良さげ。

あと書店員さんにポップを作って頂く際の材料にしてもらえればと思い、1ページ漫画のフリーダウンロードページを作った。

 

 

 

 

2017年9月3日(日)

曇り時々晴れ。

今日も書店用ポップ作り。まだ試作段階だが、おみくじ型ポップ。

 

 

 

 

2017年9月5日(火)

曇り。

ポケットティッシュ型ポップはどうだろうか。ティッシュだけ仕入れて、広告を入れ、かごに入れて書店やお店に置いてもらう。1ページ漫画のサイズとも合っている。ポケットティッシュ自体もみんなわりと欲してると思う。

 

『赤い風船』(1956年フランス/監督:アルベール・ラモリス)を観た。

36分間の、ほとんどサイレントの短編映画。19の時に芸大の授業で見せられた時はピンとこなかったけど、今観るとめちゃめちゃ良かった。

 

 

 

 

2017年9月6日(水)

曇り。

文房具屋で、書店ポップ用の材料や道具を仕入れる。金魚柄のマスキングテープを見つけて、「夏っぽい!これこれ!」と言いながら、うれしくなって、そばにいた店員のお姉さんの周りをグルグル走り回った。走り回りすぎて、バターになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年9月7日(木)

雨。

本の直し、大詰め。最後の最後まで、ここは明朝体のほうがいいかなとか、ひらがなにしたほうがいいとか、村井さんと相談しながら決めていった。そしてようやく、本文部分は完璧に仕上がった。

 

 

 

 

 

2017年9月8日(金)

晴れ。

カバーの色校正(実際と同じように印刷したもの)が出たとのことで、見せて頂く!夜、表紙をSNSで公開。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年9月10日(日)

晴れ。

Amazonでの予約がスタート。

自分でも早速注文した。Amazonは9月24日発送なので、24日~25日には受け取れると思う。書店での発売は9月25日の予定。早いところで22日ぐらいから並び始める、とのこと。

確実に置いて下さる書店や、サイン本や展示をして下さる書店の一覧も、また判りしだい特設ページに載せるつもり。

さあ、今日からは書店ポップをどんどん作るぞ。

 

 

 

 

2017年9月14日(木)~9月19日(火)

書店員さんが書店ポップやパネルを作る際に活用してもらえればと思って、1ページ漫画30本を特設ページからダウンロードできるようにしたり

 

書店に置いてもらう試し読み冊子の裏表紙のイラスト付きメッセージを書いたり

 

「#夏がとまらないリレー」の告知をしたり

 

特製シオリを100枚作ったり

 

書店に置いてもらう両面チラシ(A4四つ折り)をデザインしたり

 

いつも読んでいるハマジムコラムを書かれている山口雅さんが、『夏がとまらない』刊行に向けての自分の活動のことを丁寧に書いてくださっているのを読んで嬉しくなったり。"このワクワクを見守っていると、本屋で手にした時の喜び100倍な気がします"と。 

 

日々のこと 0918|miyabi yamaguchi|note(ノート)https://note.mu/miyaraku/n/n176317bd462a

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年9月21日(木)

晴れ。

朝からとても速い乗り物で東京へ。

サイン本を200冊作るため、初めてナナロク社へ向かう。

久しぶりに顔を合わせる村井さんと、それから初めてお会いする萩原さん、三輪さん、岩本さん、坂藤さんとも挨拶をして、さらに『夏がとまらない』の完成本とも初めての対面である。

藤岡「よう」

夏がとまらない「おう」

藤岡「ええ感じに仕上げてもろたな」

夏がとまらない「まあな」

藤岡「本編の紙も、ええ色してるな」

夏がとまらない「せやろがい」

藤岡「頭のとこガタガタになってるのもええなあ」

夏がとまらない「あんまり見るなや」

藤岡「なんでやねん」

夏がとまらない「しかしええ天気やな今日」

藤岡「そうね」

夏がとまらない「まさにあれやな」

藤岡「ああ」

夏がとまらない「夏が」

藤岡&夏がとまらない「とまらない」

 

サインを入れはじめて十数分、製本所の手違いで読者カードが本に挟まっていないことが分かり、村井さんは岩本さんと三輪さんとともに、『夏がとまらない』数千冊を保管している問屋へ、一冊一冊に読者カードを挟み込む作業をしに出向いていった。お三人とはこの日はそれでお別れ。

 

残ったのは自分と萩原さんと坂藤さん。初めて来た場所で、初めてお会いした女性二人だけがいる空間でサイン本200冊を書くことになった。き、気まずい・・・と思ったのも束の間、ナナロク社の空間と、この旗の台という町の空気も関係しているのだろう、なんだか中学時代の放課後の美術室にいるような気分になって、堺雅人のような微笑みを浮かべながらサインとイラストを描き続けた。開け放たれた奥の扉のほうから吹き抜けてきた風で、テーブルに積まれた『夏がとまらない』のカバーが揺れた時、下校する小学生のにぎやかな声が聞こえてきた時、きっとこのことを日記に書くだろうなと思って、今、書いている。

 

 

 

 

2017年9月23日(土)

曇り。

ついに『夏がとまらない』が書店に並びはじめた!さっそく手にしましたという声もTwitterなどで頂く。

 ナナロク社から「らくがき本」用に50冊が届いて、試しに一冊いろいろ落書きをしてみたのだが、そういう趣旨とはいえ本に落書きをするのは思ったよりもやりにくくて断念、先日と同じくサインとイラストのみを描いた。

 

 

 

 

2017年9月24日(日)

曇り。

各書店でサイン本とシオリ本が売り切れ続出!

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年9月25日(月)

晴れ。

スタンダードブックストア心斎橋さんからシオリ本追加の依頼を頂いたので、シオリを60枚つくり、直接お渡ししに行った。『夏がとまらない』が並んでいる売り場も見てニヤニヤする。ついでに本も買った(『地下鉄のザジ』と『大きい犬』)。自分の本にまつわることで書店員さんとお話するのは初めてで緊張していて、レジで「じゃあ、よろしくお願いします」と言いながら、買った本を受け取らずに帰りそうになってしまった。

 

 

 

 

2017年9月26日(火)~9月29日(金)

26日、さっそく増刷が決まり1万部はほぼ確定との知らせが村井さんから届く。

 

6名(4組)の方々から推薦文を頂くことができ、26日からの4日間、毎日1組ずつTwitterで紹介することに。皆さんの似顔絵を描き、WEB用の推薦文ポスターも自分で作った。推薦文を頂いた順に、岸政彦さん、かもめんたるのう大さんと槙尾さん、こだまさん、天竺鼠の川原さんと瀬下さん!

 

 

 

 

2017年10月2日(月)

晴れ。

夕方、スタンダードブックストア心斎橋へ。

齋藤陽道さんの刊行イベントで来られていた村井さんと、今後新たに作る書店冊子のことなどを簡単に打ち合わせ。ナナロク社に届いた読者カードも手渡してもらった。ちょうど一年前、このお店で初めてお会いして話をし、そこから今回の本づくりが始まったので、売り場に並ぶ『夏がとまらない』を見ながら、感慨深いですね、と。

 

まだまだ夏はとまらないのだが、この日記は、これにておしまい。

 

 

おわり



この長い長い日記を全部あるいは飛ばし飛ばし読んでくださった皆さま、ありがとうございました。そして『夏がとまらない』を手にしてくださった皆さま、読者カードや封書やSNSで感想を伝えてくださった皆さま、リレー本企画やプレゼント企画に応募してくださった皆さま、この本を作り、売ることに携わっていただいた全ての方々、本当にありがとうございました。これ以降の『夏がとまらない』にまつわる企画などは特設ページにまとめています。最新情報はTwitterInstagramで。